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2012年4月27日金曜日

人間は成功すると幸せになるのではなく、幸せな人間が成功する


はてなブックマークで気になったエントリー「今すぐ幸せになる方法教えます! 「幸福優位」7つの法則!

『努力すれば成功する。成功すれば幸せになれる』という図式は間違い。
努力して結果を出した人は、往々にしてさらに高い目標を設定し、成功と幸せを先送りしてしまう。
「すなわち、幸せは「成功に先行する」のであり、単なる「成功の結果」ではない」
ということ。
少し前に書いたTEDの記事の
ショーン・エイカーがつくった法則

ショーン・エイカー¥ 1,680
「幸福優位」7つの法則の本に関する感想や意見が書かれていました。
読んで参考になり自分もすぐさま本を予約してしまいました。

以下抜粋(今すぐ幸せになる方法教えます! 「幸福優位」7つの法則!)

法則1. ハピネス・アドバンテージ

「ハピネス・アドバンテージ」は日本語に訳すと「幸福優位性」になる。
一言でいうと、幸福感を持っている人間と持っていない人間が競争すると、
幸福感を持っている人間の方が優れた結果を出す、という研究結果だ。

長らく人間は「コツコツ努力して成功をおさめろ。
結果はあとからついてくる」と習ってきた。
これはアメリカでも日本でも同じだ。

ところが、近年のポジティブ心理学の飛躍的発展に伴い、この「コツコツ努力→成功→幸福」という図式には、大脳生理学的にも何の根拠もなく、むしろ正反対であることが分かってきたというのだ。
エイカー氏が興味深い実験をいくつもしている。

4歳の子供を2つのグループに分けて、同じような知的な作業をさせる。「積み木を組み合わせて別の形を作る」というようなことだ。
その時、片方のグループには作業開始前に「何か嬉しかったことを思い出そう」と指示を出してから作業をスタートさせる。もう一方のグループには何も指示しない。
すると、明らかに「嬉しかったこと」を思い起してから作業をスタートしたグループの子供達のほうがスピードが速く積み木を組み合わせることができるのだ。
まだ4歳で、大きな幸福経験を積んでいないような小さな子供達でも、このように差異が出るのだ。


また別の研究では、経験豊かな医師を別のグループに分け、一つのグループには事前に「幸福度」を高める仕掛けをし、別のグループには何もせずに、医療における重要な判断のシミュレーションをしてもらった。
すると、幸福度を事前に高めた医師グループは、他のグループの何と2倍のスピードで意思決定をし、しかも判断ミスは半分以下だったという。
しかも、片方のグループに対して行なった「幸福度を上げる仕掛け」とは、作業前にキャンディーを一コ配ったというだけのことなのだ!
血糖値が実験結果に影響するといけないのでキャンディーは実験前には食べていない。ただあめ玉一コをもらうだけで、医師の意思決定効率は4倍にまで跳ね上がったというのは驚きだ。

この結果から、「自分が楽しい」「幸せだ」と思えるような瞬間を意識的に作る「マインドセット」を用意することが有効であることが分かる。
大げさなことでなくてもいいのだ。
「気に入った服を着る」「好きな人の写真をPCの横に貼る」「週末のデートのことを考える」
これらのちょっとした「良い気分」が、僕らの生活を大きく変える力を持つ。

法則2. 心のレバレッジ化


この法則は、一言でいうと「気のもちようを鍛えよう」ということになる。
1日が24時間なのは一定だが、そこで「何をしたか」という充足度がどれぐらい持てるかは、実は相対的なもの、人の頭の中にあるものだ。
チームは一つ実験を行なった。
アジア人女性を集めて2日に分けて同じ難易度の数学のテストを受験させた。
一回目のテストの前には「女性は男性に較べて数学が苦手である」という話しをし、そのことを考えてもらってから試験を開始した。
そして2回目のテストの前には「アジア人は他の人種よりも数学の能力が高い」という話しをして、そのことを考えてもらってから受験させた。

もうお分かりだろう。2回のテスト問題の難易度は同じだったにも関わらず、2日目のテストの点数は1回目より飛躍的に跳ね上がった。

ここから学べることは、僕らは何か難しい案件や困難な仕事に立ち向かう時には、意識して自分が優れていること、自分が自信を持っていることを考えるようにすれば良いのだ。

他にも「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生と「自分の能力は固定されている」と考えている学生をそれぞれグループにして、一定期間ごとに英語の能力を計測した香港大学の事例も興味深い。

もちろん「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生の成績はどんどん良くなり、「自分の能力は固定されている」と考えているグループの英語の成績はほとんど伸びなかったという。

「うまくできる」と思っている人はうまくできる。そして「ダメだろう」と思っている人はうまくできない。

であれば、自分の中にある「小さな自信」の「てこ」の場所を変えて支点をずらすことで、「心のレバレッジ」がかかり、徐々に大きな事柄にも自信を持って取り組めるようになるのだ。

法則3. テトリス効果

テトリスというゲームには強い中毒性がある。
はまってしまうと、街を歩いていても、本屋の本から電気屋の段ボールまで、何でもテトリスに見えて組み合わせたいと思ってしまう。
同じように、僕らは繰り返し行なうことを無意識に「型」して実行する習性を持つ。
これを「テトリス効果」と呼ぶ。

テトリス効果は良い方向にも悪い方向にも働く。

税理士は仕事で毎日細かい数字のあら探しを続けるため、家に帰ってからも家族のあらを探してしまうようになる。
これは負のテトリス効果だ。

だが、良い方向に働くと、テトリス効果は抜群の効果を発揮する。
僕が猛烈に気に入ったのは、「今日あった3つの良いこと」の振り返りだ。

一日の終わりに3行、「今日あった3つの良いこと」を書き出すのだ。
大きな出来事がなかった日でも、小さなことで構わない。
「ランチのタイ料理屋さんが美味しかった」でも「上司に褒められた」でも「疲れて帰ってきたら子供が抱きついて迎えてくれた」でもいい。

1日に5分、この作業を毎日繰り返す。
すると、脳内に、ポジティブな自分をスキャンするという回路が生まれ、徐々にポジティブな自分を常に見つめられるようになっていくのだ。
また、意識的にポジティブなことを考えることで、それまで頭にあったイライラやネガティブなことを意識から追い出すことができ、心が安定する効果がある。

僕もこの本を読んでから毎日書いている日記に「今日あった3つの良いこと」の項目を追加した。
これは簡単にできることなので、是非実践していただければと思う。

法則4. 再起力


すべての物事が思うように行くことはありえない。
そして僕らは「うまくいったか」「失敗したか」のどちらか二択で物事を捉えがちだ。
でも、実はここにはとても大切な「第3の道」が隠されている。
それは何か。「失敗した後に学んで強くなり、最後に上手くいく」ことだ。つまり「再起する力」だ。
心理学では「心的外傷後の成長」と呼ぶ。

多くのベンチャー投資家は、ビジネスで大失敗した人物しかマネージャーとして雇わない。
マイケル・ジョーダンは高校生の時にはレギュラーメンバーに入れず控え選手だったという。
そんなジョーダンはこう言っている。
「私は人で何度も何度も挫折した。それがいまの成功をもたらした」

第3の道は見えにくい。
人はどうしても近視眼的に物事を見がちだ。
だからそんな時には、視線を先に向けて、自分の位置を客観的に認識する訓練をしよう。
再起力をつけるための具体的な手法については本書に詳しく書かれている。
自分がいま苦境にあると感じている方は、是非試してみて欲しい。

法則5. ゾロ・サークル

日本ではあまり知られていないが、「怪傑ゾロ」はアメリカでは古典的ヒーローなのだそうだ。
そしてゾロは最初から無敵だったのではなく、荒削りで隙が多かった若者時代に、師匠に徹底的に鍛えられて一人前になるのだという。
その時の訓練手法として使われたのが「ゾロ・サークル」だ。小さな円を自分の周りに書き、その中で自在に動けるように鍛練をする。
そして十分自分をコントロールできるようになったら、円を大きくして、さらにダイナミックな動きができるように訓練のレベルを上げるのだ。

ここで重要なのは「コントロール感覚」だ。
仕事においても家庭においても、自分が自分自身の運命の主人公であるという感覚は、幸せと成功をもたらす最大の推進力となる。
そしてこの時に重要なのは、その人が実際にどれぐらいコントロールできるかではなく、その人が「どれぐらいコントロールできると思っているか」なのだ。

コントロール感覚が身についている人は、自分の成果を正しく認識できる。これを「内的統制感」と呼ぶ。
一方コントロール感覚が身についていない人は、自分を正しく認識できない。
たとえば昇進の話しがあっても自分に自信が持てず、「たまたま」とか「運が良かっただけ」などと考えてしまい、せっかくの良い状況でも「無力感」「疎外感」を感じてしまう。

では、コントロール感覚を身につけるにはどうしたらいいか。それは「正しい自己認識」という、一番小さな「ゾロ・サークル」を作ることだ。
そのためにすることは、自分の気持ちや感情を、ネガティブなものでもポジティブなものでも書き出したり、信頼できる友人に話すなどして、客観化することだという。

実験によれば、ひどい落ち込みから一番早く回復する人は、自分の気持ちを認識してそれを言葉で表現できる人だという。
まずは自分の感情を把握してそれを言葉にすること。
そしてそれができるようになったら、自分以外のビジネスや人間関係などにゾロ・サークルを広げていく。
これがステップなのだという。

法則6. 20秒ルール

私たちは「単なる習慣の塊」である。
そして、習慣は「初期設定」を変更しないと、変えることができない。
そして初期設定は、一番楽なこと、に集約されていく。

著者はギターが趣味だという。でも忙しくて弾く機会がなかった。
そこで一念発起して、「毎日30分ギターを弾く」という誓いを立てた。
習慣が身につくには21日かかるという研究結果から、21日分のカレンダーに✓マークをつけることを想像してニヤニヤしていたという。


ところがその計画は4日で頓挫し、著者はうなだれることになった。
だが、そこから著者が学んだことは、以下の仮説だった。
一番の問題は、「ギターがギターケースに入れられ、リビングのソファーから歩いて20秒かかるクローゼットにしまってあることだ」。


そこで著者はギタースタンドを購入し、ソファーの自分の座る位置から手が届くように配置した。
その結果、21日後に著者は、✓マークが21並んだカレンダーと、ちょっとだけ上達したギターのテクニックを纏い、ニヤニヤすることになった。

この二つの事例の違いは、クローゼットまでギターを取りに行くという、20秒しかかからない行動の「面倒くささ」が習慣化を拒んでいた、ということだ。

つまり、重要なのは、「望ましい行動」を「最も抵抗の少ない道にする」、ということだ。

そして著者は正反対の実験へと自らを進めた。
彼は帰宅後にだらだらテレビを観てしまう習慣を何とかしたいと思いつつ、やめることができずにいた。
オフィスから自宅に戻ると、リビングのテーブルの上にあるリモコンでまずテレビのスイッチを入れてしまうのだ。

そこで、彼はテレビのリモコンから電池を抜き、リビングから20秒かかる部屋の引き出しにしまった。
そして代わりに積ん読になっていた本を自分が座る位置に置いた。もちろんギターも手に届く場所にある。


最初の数日、エイカー氏は帰宅すると、電池が抜けていることを忘れてリモコンを操作しガッカリしたという。
だが、そこで彼は引き出しまで電池を取りに行ったか?
そう、面倒だから行かないのである。立ち上がってテレビまで行って操作するのも面倒だ。チャンネルを変えるのもボリュームを下げるのも、いちいち立ち上がらないといけない。

そしてその代わりに、すぐそばにある本を手に取ってパラパラめくったり、手許にあるギターを弾いて時間を過ごすようになった。
やがてエイカー氏は、テレビ番組に対する興味が薄れている自分に気づいた。そしてその代わりに読書とギター練習という、より「望ましい」習慣を身に付けた自分を発見した。

本書に満載されている「幸福優位性の法則」も、読んだだけで実行しなければ何も起こらない。
20秒ルールを活用して、自分の「望ましい」状態が「一番楽」になるよう、工夫してみて欲しい。

法則7. ソーシャルへの投資

ここでいう「ソーシャル」は、インターネットの「ソーシャルメディア」を指すものではない。
いや、ソーシャルメディアに限定したものではない、というのが正しい。
一言で言えば、「幸せになるためには仲間が大切だ」ということだ。

ハーバード大学はアメリカで最も優秀な人物が集まる大学の一つだ。
それは何を意味するか。今まで全米各地で「成績トップ」として生きてきた人達のうちの半分が、ハーバードでは「平均以下」に位置することになる。
彼ら「天才」「秀才」と呼ばれてきた人々にとっては初めての屈辱だ。

そんな過酷な競争社会ハーバードの学生の幸福度を研究した結果をある学者は以下のように表現した。
「研究によって得られた発見を一言で言えば『愛』に尽きる」

つまり、同じぐらい辛い状況、追いつめられた環境にある学生たちでも、信頼できる仲間関係を構築できている学生たちの幸福度は高く、孤立している学生は幸福度が低いという結果が出たのだ。

この傾向は大学に限ったことではない。

2008年にアメリカを襲ったリーマンショック直後、多くのアメリカ企業は未曾有のパニック状態に陥ったが、その際に多くの企業は社員同士のコミュニケーションの機会を増やし、相互の絆を強める努力をしたという。
福利厚生費や懇親会などの費用は不況の時にはまっさきに削られてしまうものだが、マネージャーたちは自腹でビール代を捻出し、社員と自由に会話する時間を持ち続けたという。


幸せは一人でも得られるものだ。
だが、そこに仲間の存在があることで、その幸福度は格段に高まり、強固なものに育っていく。
人と人との絆に投資する。
これが大切なことなのだ。

まとめ


幸福優位性は伝播する。
「微笑み」という形を通して、人から人へと伝わっていく。
楽しい、嬉しい、幸せだ。
プラスの感情を積極的に表に出すことで、周囲にも幸せな気持ちの人が集まるようになる。
そしてそれらのプラスな人々が集まることで、「上昇スパイラル」が生まれ、どんどん仲間同士の絆が強まり、幸福度が高まっていく。

同じことは家庭でもいえる。
家族同士がいつも幸せで笑顔でいるようになることで、上昇スパイラルが生まれていく。
ここまで読んでいただいた方は分かると思うが、「幸せ」というのは無条件で「ある」ものではない。
積極的に「幸せになる」のだ。幸せかどうかを決めるのは自分なのだ。
成功すると幸せになるのではない。幸せだから成功するのだ。
今すぐ幸せになる方法教えます! 「幸福優位」7つの法則!

ショーン・エイカー¥ 1,680

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